- 第一級陸上特殊無線技士とは?
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- 陸上の無線局の空中線電力500W以下の多重無線設備(多重通信を行うことができる無線設備でテレビジョンとして使用するものを含む)で30MHz以上の周波数の電波を使用するものの技術操作を行うことができる、電波法によって定められた国家資格である無線従事者資格のひとつです。
- 陸上特殊無線技士の最高位の資格であり、第二級陸上特殊無線技士及び第三級陸上特殊無線技士の操作範囲を包含しています。
- 主な活躍シーン
- 携帯電話の基地局の施工工事・メンテナンスや、テレビの中継局や多重無線設備を使用した固定局の操作、空中線電力が100Wを超えるローカル5G基地局の運用などに携わることができ、登録点検事業者制度における点検員の職務に従事することができるようになります。また、二陸特や三陸特の操作範囲に許可される業務も当然できることになります。
これらの他、国家資格である甲種消防設備士の受験要件として活用することなどもできます。
- 一陸特は国家試験で取得しよう!
- 第一級陸上特殊無線技士の資格を得るには3通りあり、認定を受けている大学などで所定の単位を取得し卒業する他、一般的には下記のの2通りとなります。
- 公益財団法人日本無線協会の実施する「国家試験」を受験して合格する
- 「養成課程」を受講して「修了試験」に合格する
- 第一級陸上特殊無線技士の国家試験は、毎年2月、6月、10月の年3回実施されていて、ここ最近の受験者数は年間5千~7千人ほどです。難易度は低くはなく合格率は35%前後くらいですが、受験するための要件はありません。独学でチャレンジするには少しハードルは高いですが、「国家試験の受験に特化した講座を受講する」「分からない時に質問ができる個別指導」など学習サポートを受けることができれば、合格は決して難しいものではありません。
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試験科目
- 無線工学(24問)
多重通信の概念/基礎理論/多重変調方式/無線送受信装置/中継方式、接続方式/レーダー/空中線及び給電線/電波伝搬/電源/測定 - 法規(12問)
目的・定義/無線局の免許/無線設備/無線従事者/運用/監督/罰則/業務書類
- 無線工学 15問以上正答(120点満点中、75点以上)
- 法規 8問以上正答(60点満点中、40点以上)
- 試験時間 3時間
- 法規、無線工学が同時に配布される
- 科目合格はない
- 受験者の多い東京会場の場合、午前・午後に分けて実施されることがある
養成課程を受講するためにはハードルの高い「受講要件」を満たすことが必要です。満たしていない場合には受講前に、高等数学や電機物理、電気回路、電子回路の知識を問う難易度の非常に高い選抜試験を受けて合格することが必要です。さらに、養成課程では法規6時間、工学48時間、合計54時間もの授業を受講する必要があります。 - 無線工学(24問)